加熱式タバコglo(グロー)の副流煙は、紙巻きタバコと同様に体に悪い影響があるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、グローの副流煙には発がん性がある有害物質が含まれているため、喫煙することで体に様々な健康被害を及ぼす可能性があります。
本記事では、グローの副流煙がどのように体に悪いのかを解説しながら、発がん性のある有害物質や受動喫煙による健康被害についても詳しくお伝えしていきます。
目次
加熱式タバコ「glo(グロー)」の副流煙は体に悪い!
加熱式タバコは従来の紙巻きタバコよりも健康被害が少ないとされており、タバコとしての味わいも年々向上していることから、glo(グロー)などのデバイスの人気が高まっています。
しかし、加熱式タバコにもタールやニコチンが含まれており、副流煙からも有害物質を摂取するため、健康被害のリスクが一切なく安心して楽しめるという訳ではありません。
加熱式タバコの健康被害のリスクを知ってもらうためにも、まずは紙巻きタバコとの比較も踏まえながら、グローの安全性について解説します。
加熱式タバコにもニコチン・タールは含まれている
加熱式タバコには、体に悪い影響を及ぼすニコチンやタールなどの有害物質が含まれていますが、一般的には紙巻きタバコよりも含有量が少ないとされています。
しかし、加熱式タバコを喫煙したことによる有害物質の摂取量は、タールの場合は紙巻きタバコの70%程度、ニコチンの場合は紙巻きタバコを上回る摂取量にもなるとの研究結果もあります。
そのため、タバコに含まれる有害物質が少なければ安全性が高いとは言えず、グローなどの加熱式タバコに乗り換えたとしても、健康被害のリスクからは免れることができません。
紙巻きタバコより発がん性物質は少ないが健康被害リスクはある
加熱式タバコは紙巻きタバコよりも発がん性物質が少ないものの、喫煙による健康被害が無くなるという訳ではありません。
しかし一方では、紙巻きタバコと比較して加熱式タバコはホルムアルデヒド・ベンゼン・アセトアルデヒドなどの、発がん性のある有害物質が90%程度低減されているとの研究報告もあります。
いずれにしても現段階では加熱式タバコの健康被害については不明な点が多いため、紙巻きタバコよりも加熱式タバコの方が喫煙リスクが少ないと考えるのは、時期尚早と言えるでしょう。
glo(グロー)に含まれる発がん性物質など主な有害物質について解説
加熱式タバコのglo(グロー)には発がん性物質を始めとして、体に悪い有害物質が含まれていることに留意しなければいけません。
タバコの有害物質として最も有名な、ニコチンやタールが発生するかどうかについては、発売元のBATと加熱式タバコなどの研究機関の発表内容に相違があるため、注意が必要です。
ここでは、販売元や研究機関の報告も参考にしながら、グローに含まれる発がん性物質などの主要な有害物質について詳しく解説していきます。
- ニコチン
- タール
- 発がん性物質
有害物質①:ニコチン
グローに含まれる発がん性物質などの有害物質1つ目は、神経毒性があり強い依存性を持つ「ニコチン」です。
販売元であるBATの公式発表によると、グローの喫煙時に発生するニコチン量は「0.46mg」としており、一般的な紙巻きタバコよりも少ない数値であると言えます。
ただし「0.46mg」の数値はグロー専用タバコスティックの一部の銘柄のニコチン量であり、加熱式タバコの全てのデバイスやタバコスティックに該当する訳ではないことに、留意しなければいけません。
有害物質②:タール
グローに含まれる発がん性物質などの有害物質2つ目は、粘着性が高く体内に蓄積されることによって体に悪い影響を及ぼす「タール」です。
販売元であるBATは、グローの喫煙時にタールは発生しないという発表をしていますが、MFDS(韓国食品医薬品安全省)の調査では「4.8mg」のタールが検出されたことが報告されています。
調査方法などに違いがあると思われますが、健康被害のリスクを最小限に抑える観点からは、加熱式タバコにもタールが含まれていると認識しておくべきでしょう。
有害物質③:発がん性物質
グローに含まれる発がん性物質などの有害物質3つ目は、ホルムアルデヒド・ベンゼンなどの「発がん性物質」です。
研究結果の一例として、タバコ1本あたりの発がん性物質のホルムアルデヒドの数値は、紙巻きタバコが41μg、加熱式タバコが4.8μgとなっています。
明らかに加熱式タバコの発がん性物質が少ないことが分かりますが、含有量が0ではない以上、がんに罹患するリスクが高まることは否定できません。
glo(グロー)の副流煙による健康被害について解説
タバコの副流煙による健康被害は世の中に広く認知されていますが、加熱式タバコのglo(グロー)でも副流煙が体に悪い影響を及ぼすことには変わりありません。
がんや循環器系疾患のほか、タバコが原因となる病気としてはあまり知られていない神経系疾患や感覚器疾患など、喫煙による健康被害は多岐に渡ります。
ここでは、グローの副流煙による健康被害について代表的な、6つの疾患について解説していきます。
- がん
- 呼吸器疾患
- 消化器疾患
- 循環器疾患
- 神経系疾患
- 感覚器疾患
健康被害①:がん
グローの喫煙や副流煙による受動喫煙の健康被害1つ目は、肺がんや咽頭がんなどの悪性腫瘍に罹患することです。
加熱式タバコの有害物質は紙巻きタバコよりも少ないとされていますが、タバコを1本でも喫煙すれば発がんリスクは高まるため、喫煙による健康被害には注意しなければいけません。
また、タバコの本数が多いことよりも長期間に渡り喫煙していることの方が健康被害は大きいとされており、加熱式タバコを長期間喫煙することで、紙巻きタバコと同等の発がんリスクがあるとも言われています。
健康被害②:呼吸器疾患
グローの喫煙や副流煙による受動喫煙の健康被害2つ目は、鼻腔から肺までの呼気が通る呼吸器系疾患を発症することです。
呼吸器は有害物質が含まれた副流煙などの外気に直接触れる器官であるため、咳や喉の痛みといった喫煙による症状がすぐに出やすい特徴もあります。
副流煙の吸引が常習化すると、肺炎・気管支炎・小児喘息といった呼吸器系の病気を起こしやすいデータもあるため、無意識に副流煙を吸ってしまう恐れがある、お子さんが居るご家庭は特に注意が必要です。
健康被害③:消化器疾患
グローの喫煙や副流煙による受動喫煙の健康被害3つ目は、食べ物を消化・吸収する口から肛門まで続く消化器系疾患を発症することです。
加熱式タバコの有害物質の影響により、口腔内の渇きや歯周病の症状が出るほか、食欲不振・下痢・嘔吐などの体調不良に襲われる場合があります。
口腔内の歯茎などの痛みは、副流煙などに含まれる有害物質の刺激によって悪化する恐れがあるため、少しでも体に不調を感じたらグローの喫煙を控えるようにしましょう。
健康被害④:循環器疾患
グローの喫煙や副流煙による受動喫煙の健康被害4つ目は、血液やリンパ液を体内に巡らす心臓や血管などの循環器系疾患を発症することです。
タールやニコチンなどの有害物質が体内に取り込まれることで、動機・息切れ・胸痛などの症状が現れ、狭心症や心筋梗塞などの重大疾患に繋がる恐れがあります。
また、持病に高血圧や不整脈などがあり服薬している方は、治療薬の効果にも悪影響を与える可能性があるためグローの喫煙は厳禁です。
健康被害⑤:神経系疾患
グローの喫煙や副流煙による受動喫煙の健康被害5つ目は、中枢神経系と末梢神経系からなる神経系疾患を発症することです。
ヤニクラの代表的な症状でもある頭痛やめまいのほか、喫煙者が倦怠感・眠気などを感じるのは、副流煙による神経系疾患の恐れがあります。
また、ニコチンは抹消神経の1つである交感神経を興奮させる作用があるため、病院で交感神経を鎮めたり覚醒する薬を処方されている方は、喫煙前に必ず主治医に相談してください。
健康被害⑥:感覚器疾患
グローの喫煙や副流煙による受動喫煙の健康被害6つ目は、目・鼻・耳のほか皮膚などの感覚器の疾患を発症することです。
グローの副流煙に含まれるニコチンなどの有害物質に体が反応して、目のかゆみ・鼻づまり・発疹などの症状が出る場合があります。
タバコに含まれる有害物質が原因の症状の場合、一般的な目の疲れや鼻炎などの市販薬を使用すると、症状が悪化する恐れがあるため、服薬する際には専門医に相談しましょう。
赤ちゃんがいる家庭は配慮が必要!glo(グロー)が赤ちゃんに与える悪影響
未成熟な赤ちゃんや子供には、glo(グロー)の喫煙が大人以上に体に悪い影響を与えることも考えられるため、十分な配慮が必要です。
喫煙時に配慮が足りない場合、赤ちゃんや子供が命に関わる重大な疾患を発症するなど、取り返しのつかない悪影響を及ぼす恐れがあります。
ここでは、グローが赤ちゃんや子供に与える健康への悪影響について詳しく解説しますので、副流煙のリスクについて十分に理解しておきましょう。
- 乳幼児突然死症候群
- 知能発達の遅れ
- タバコスティックの誤飲による事故
悪影響①:乳幼児突然死症候群
赤ちゃんや子供の体に悪いグローの喫煙による影響の1つ目は、生後2週間から6か月の赤ちゃんの死因に多い乳幼児突然死症候群を引き起こすことです。
例えば、妊娠中の女性がグローなどの加熱式タバコや紙巻きタバコを喫煙した場合、赤ちゃんの乳幼児突然死症候群のリスクは5倍になるとされています。
加熱式タバコは健康被害がないとの誤解から、妊娠中に喫煙する方も居るようですが、取り返しのつかない事態になる前にすぐに禁煙しましょう。
また、周囲の人も妊婦の方へ喫煙を止めるように、健康被害について伝えてあげましょう。
悪影響②:知能発達の遅れ
赤ちゃんや子供の体に悪いグローの喫煙による影響の2つ目は、読み書きや計算の理解が出来ないなど知能の発達に遅れが出ることです。
副流煙を赤ちゃんや子供が受動喫煙すると、煙に含まれる有害物質によって脳への血流が悪くなるため、学習能力の低下に繋がります。
また感情が抑えられなくなり暴力的になるなど、人格形成にも悪影響を及ぼすことから、子供の将来を考えれば喫煙を止めなければいけません。
悪影響③:タバコスティックの誤飲による事故
赤ちゃんや子供の体に悪いグローの喫煙による影響の3つ目は、不用意に置いていたタバコスティックの誤飲による事故です。
赤ちゃんは好奇心が強く、手に触れる全てのものを口に入れる傾向があるため、細心の注意を払わないとタバコスティックや灰皿の吸い殻まで誤飲する恐れがあります。
誤飲した場合、窒息や急性ニコチン中毒による死亡事故に繋がるため、グローのデバイスやタバコスティックは赤ちゃんの手が届かない場所に保管するなど、管理を徹底しましょう。
やっぱり禁煙するべきなの?glo(グロー)の禁煙による嬉しい体の変化
これまでにお伝えしてきた加熱式タバコの喫煙リスクを知ったことで、glo(グロー)を禁煙しようと考えた方も多いのではないでしょうか。
グローを禁煙することによって、体調が良くなったり運動機能が回復するなど、様々な体の変化を感じるようになったという声もあります。
ここでは、禁煙による体の変化について詳しく解説しますので、グローを喫煙したいという欲求が止まらない方も、ぜひ一読してみてください。
- 血圧や脈拍が正常値に戻る
- 息切れがなくなり運動機能回復を実感する
- 肌がきれいになる
体の変化①:血圧や脈拍が正常値に戻る
グローの禁煙によって現れる体の変化1つ目は、数値が高めになっていた血圧や脈拍が正常値に戻ることです。
体内のニコチンやタールは禁煙開始からわずか20分程度で減少していくため、血圧や脈拍が正常値に戻るほか、血流が良くなり手足の温度が上がるなどの効果が現れます。
一方で、禁煙から20分以上経過するとタバコを吸いたくなる魔の時間帯に入るため、喫煙に代わる行為としてガムを噛んだり飲み物を飲んだりして、喫煙の欲求を抑えるように対処してください。
体の変化②:息切れがなくなり運動機能回復を実感する
グローの禁煙によって現れる体の変化2つ目は、日常生活での息切れがなくなり運動機能の回復を実感できることです。
喫煙により増加した血中の一酸化炭素が減少することで、酸素濃度が上昇して呼吸がしやすくなり、早足や駅の階段の上り下り程度では息切れしなくなります。
運動機能の回復が始まるのは、禁煙から8時間程度経過してからと言われているため、喫煙の代わりにランニングや筋トレをして運動機能の回復を実感してみてはいかがでしょうか。
体の変化③:肌がきれいになる
グローの禁煙によって現れる体の変化3つ目は、みずみずしくツヤのある綺麗な肌に戻ることです。
タバコを吸うと有害物質の作用により血管が収縮して、肌トラブルを招く原因となりますが、禁煙すると血流が改善して、肌に必要な酸素や栄養素が行き渡り肌ツヤが良くなります。
なお、禁煙から2~3週間程度で肌のくすみが解消するなどの効果が現れるため、肌が綺麗になる自分をモチベーションにして禁煙に挑戦してみましょう。
glo(グロー)の副流煙が含む発がん性物質と健康被害リスクおよび禁煙による体の変化まとめ
本記事では、glo(グロー)の副流煙がどのように体に悪いのかを解説しながら、発がん性のある有害物質や受動喫煙による健康被害についてもお伝えしてきました。
グローを含む加熱式タバコは、紙巻きタバコよりも発がん性などの有害物質の含有量が少ないとされていますが、健康被害が全く無いとは言えません。
そのため禁煙を実行するか、喫煙を続けるにしても副流煙などによる悪影響を最小限に抑えられるように、自分自身の健康や周囲の人に十分に配慮して喫煙をするよう心掛けてください。