IQOS ILUMA(アイコスイルマ)専用のタバコスティックである「TEREA(テリア)」「SENTIA(センティア)」ですが、ニコチン量・タール量が気になるところです。
結論から言うと、テリアには約6mgのニコチンと約14mgのタールが、センティアには6mg以下のニコチンと約12mgのタールが含まれていると推測されます。
本記事では、アイコスイルマで吸えるテリアとセンティアのニコチン量とタール量について解説するとともに、健康被害のリスクについてもご紹介します。
目次
「テリアとセンティアはニコチンなし」という噂はデマ!
IQOS ILUMA(アイコスイルマ)は、紙巻きタバコに比べて煙やタバコ特有の臭いが少ないことから、ニコチンやタールなどの有害物質が含まれていないと思っている方も多いのではないでしょうか?
調査の結果でも、加熱式タバコを吸っている約6割の方が「他のタバコに比べて健康に良いと思った」という回答をしていることから、加熱式タバコには健康被害のリスクが少ない印象が根付いていることが分かります。
しかし、実際には加熱式タバコにも有害物質が含まれているため、健康被害のリスクは紙巻きタバコと変わりません。
テリアとセンティアもニコチン・タールを含んでいる
冒頭でもご紹介した通り、アイコスイルマ専用のTEREA(テリア)・SENTIA(センティア)にはニコチン・タールが含まれています。
アイコスイルマを製造・販売しているフィリップモリス社によると、テリア・センティア含まれているニコチン量は紙巻きタバコと同程度という試験結果が公表されています。
また、アイコスイルマはタバコ葉を燃焼しないためタールは発生しないとされていますが、カナダの保健省や中国の検査機関による研究では、紙巻きタバコよりは少ないもののタールが検出されたとの報告がありました。
テリアとセンティアにニコチン量・タール量の表示義務はない
テリア・センティアを含む、加熱式タバコ専用のタバコスティックのパッケージには、ニコチン量・タール量が表示されていません。
理由としては、アイコスイルマを始めとする加熱式タバコは比較的新しい製品のため、国際基準でのニコチン量・タール量の測定方法が定められておらず、紙巻きタバコのように法的な表示義務がないためです。
前述した通り、テリア・センティアにはニコチン・タールが含まれているため、パッケージに表示されていないからという理由で、タール・ニコチンなしで吸えると勘違いしないよう注意しましょう。
今後のニコチン量・タール量の表示については義務づけが検討されている
前項でもご紹介した通り、2024年2月の時点では加熱式タバコのニコチン量・タール量を表示する義務はありません。
しかし、国際標準化機構により加熱式タバコのニコチン量・タール量の測定方法の研究が進められており、研究の進捗状況にもよりますが、表示の義務化が検討されています。
時期に関しては未定となっていますが、そう遠くない未来に、ニコチン量・タール量が表示された加熱式タバコが店頭に並ぶ可能性は高いと言えます。
TEREA(テリア)とSENTIA(センティア)のニコチン量・タール量が何ミリか解説
IQOS ILUMA(アイコスイルマ)専用のTEREA(テリア)とSENTIA(センティア)には、ニコチン・タールが含まれているものの、具体的な含有量については公表されていません。
テリアとセンティアに含まれるニコチン量やタール量を知るためには、数値が判明している他の加熱式タバコ銘柄や、外部の機関による調査の結果などを基に推測する必要があります。
本項目では、テリアとセンティアのニコチン量・タール量が何ミリかを詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
テリアのニコチン量・タール量
テリアに含まれているニコチン量については、日本中毒情報センターの報告により、約6mg程度であることが分かっています。
タール量に関しては、測定したデータがなく具体的な数値は不明ですが、同程度のニコチン量である旧アイコス専用の「マールボロ」のタール量が約14mgとなっています。
テリアに関してもおよそ14mg程度のタール量であると推測されるため、紙巻きタバコを吸っている方は、中程度の強さの銘柄を想像すると吸い心地が分かりやすいでしょう。
ニコチン量 | タール量 | |
---|---|---|
テリア | 約6mg | 14mg以下(推定) |
センティアのニコチン量・タール量
センティアに関してはニコチン量・タール量ともに公表されていませんが、テリアよりもマイルドな吸いごたえであることから、テリアよりもニコチン・タールの含有量が少ないことが予想されます。
前項でご紹介した、テリアのデータを基にセンティアのニコチン量とタール量を予測すると、ニコチン量は6mg以下でタール量は12mg程度と推測されます。
またご紹介した数値は、タバコスティック1本分のタバコ葉全体に含まれているニコチン・タールの量であるため、実際に吸った際に体内に取り込まれる量は、さらに少なくなることが考えられるでしょう。
ニコチン量 | タール量 | |
---|---|---|
センティア | 約6mg | 12mg程度(推定) |
TEREA(テリア)とSENTIA(センティア)のニコチン量・タール量を紙巻きタバコと比較
前項では、IQOS ILUMA(アイコスイルマ)専用のタバコスティック、TEREA(テリア)・SENTIA(センティア)に含まれているニコチン量・タール量をご紹介しました。
次に本項目では、テリア・センティアのニコチン量・タール量を紙巻きタバコと比較した時に、どのような違いが見られるのかをご紹介します。
現在紙巻きタバコを吸っている方も、アイコスイルマでテリア・センティアを吸っている方も、ぜひ参考にしてみてください。
紙巻きタバコのニコチン量・タール量
2023年に日本たばこ協会が発表した資料によると、2022年に販売されている紙巻きタバコに含まれているニコチン量の平均値は0.54mg、タール量の平均値は6.5mgとなっています。
上記の数値は、中程度の紙巻きタバコに含まれるニコチン量・タール量と同程度となっているため、平均値よりもニコチン量・タール量が多ければ重いタバコ、少なければ軽いタバコと言えるでしょう。
加熱式タバコを含むタバコ製品を吸っている方は、上記の平均値と比較することで、自分の吸っている銘柄がどのような位置づけなのかが分かります。
ニコチン量 | タール量 | |
---|---|---|
紙巻きタバコ平均値 | 約0.54mg | 6.5mg |
テリアとセンティアのニコチン量は紙巻きタバコと同程度
呼吸器に関する学会によって発表された資料によると、紙巻きタバコ1本に含まれているニコチン量は約6mg~約7mgで、その上で実際に体内に取り込まれる量は1mg~3mg程度となっています。
前項でもご紹介した通り、テリア1本に含まれているニコチン量は「約6mg」で、センティアは「6mg以下」であるため、どちらの銘柄も紙巻きタバコと同程度のニコチンが含まれていることが分かるでしょう。
喫煙者は一定量のニコチンを摂取することで満足感を得られるため、テリア・センティアにも十分に満足感が得られる量のニコチンが含まれていると言えます。
タール量や一酸化炭素量は紙巻きタバコより少ない
テリア・センティアに含まれているニコチン量は、紙巻きタバコと同程度であることが分かりましたが、タール量に違いはあるのでしょうか?
タールは約500℃前後で加熱した時に最も多く発生するため、約300℃~約350℃で加熱するアイコスイルマから発生するタール量は、燃焼温度が約600℃~約800℃の紙巻きタバコよりも少ないと言えます。
またタールと同じく、タバコが燃焼する時に発生する有害物質である一酸化炭素に関しても、アイコスイルマから発生する一酸化炭素の量は紙巻きタバコの30分の1以下であることが分かっています。
TEREA(テリア)とSENTIA(センティア)による健康被害リスク
IQOS ILUMA(アイコスイルマ)専用のTREA(テリア)・SENTIA(センティア)に含まれている有害物質の量は、紙巻きタバコと比較して少ないことが分かりました。
しかし、有害物質の含有量が少ないからといっても健康被害のリスクがゼロにはなる訳ではなく、テリア・センティアを吸うことによって様々な病気に罹る危険性があります。
本項目では、テリア・センティアを吸い続けることによって引き起こされる健康被害のリスクについてご紹介します。
- 急性好酸球性肺炎
- 間質性肺疾患
- 心血管疾患
健康被害リスク①:急性好酸球性肺炎
1つ目にご紹介する、テリア・センティアによる健康被害のリスクは「急性好酸球性肺炎」です。
急性好酸球性肺炎は、アレルギーに関わりのある白血球の一種である好酸球によって引き起こされる肺炎で、加熱式タバコの喫煙が原因とされる症例が日本国内でも報告されています。
症状は、発熱・咳・痰・呼吸困難となっており、重度の場合は人工呼吸器が必要となる場合もあるため注意が必要です。
健康被害リスク②:間質性肺疾患
2つ目にご紹介する、テリア・センティアによる健康被害のリスクは「間質性肺疾患」です。
間質性肺疾患とは、間質と呼ばれる肺の肺胞の壁部分に炎症が起こり、壁が厚く硬くなることで肺の伸び縮みが上手くできなくなるために息切れが起こり、進行すると呼吸不全にもなる疾患です。
紙巻きタバコの喫煙が原因となる場合が多い病気ですが、加熱式タバコを吸っている方が発症したデータもあるため、アイコスなどの加熱式タバコについても必ずしも安全ではないことが分かります。
健康被害リスク③:心血管疾患
3つ目にご紹介する、テリア・センティアによる健康被害のリスクは「心血管疾患」です。
2021年に中国の上海交通大学の研究グループが発表した論文には、紙巻きタバコや加熱式タバコに含まれるニコチンは、アテローム性動脈硬化症を悪化させることが書かれています。
また、慶応大学などの研究グループによる調査でも、加熱式タバコを吸うことで代謝系に影響を与え、血管の内側の機能不全や心血管疾患を引き起こす可能性があることが分かっています。
IQOS ILUMA(アイコスイルマ)専用タバコ「テリア」「センティア」のニコチン量・タール量まとめ
本記事では、IQOS ILUMA(アイコスイルマ)専用のTEREA(テリア)・SENTIA(センティア)のニコチン量・タール量のご紹介と、加熱式タバコによる健康被害のリスクについて解説しました。
テリア・センティアにもニコチンやタールが含まれており、吸い続けることで様々な病気に罹るリスクがあるため、決して安全ではないことが分かりました。
紙巻きタバコも加熱式タバコも健康被害のリスクは変わらないため、健康に良いからと加熱式タバコを吸っている方は、タール・ニコチンなしの製品への乗り換えや禁煙に踏み切ることをおすすめします。