紙巻きタバコから葉巻に挑戦したいと考えている人の中には、煙を肺に入れるのかふかすべきなのか、正しい吸い方が分からず不安になっている方も居るのではないでしょうか。
結論から言うと、葉巻は煙をふかす口腔喫煙が基本的な吸い方です。適切に吸い口をカットして着火できたら、ゆっくりと煙の味や香りを堪能しましょう。
本記事では葉巻の選び方・カットの準備・火の付け方のほか、どこまで吸えるかといったよくある疑問に回答していくので、葉巻初心者の方はぜひ参考にしてみてください!
目次
葉巻の煙は肺に入れる?ふかす?正しい吸い方を解説
冒頭でもお伝えしているように、葉巻の煙は肺に入れるのではなく口腔喫煙でふかす吸い方が基本の吸い方です。
まずは葉巻が口腔喫煙でふかす吸い方である理由や、喫煙する際の注意点から確認していきましょう。
1本あたりの喫煙時間が長い葉巻を途中でやめる方法についても解説していくので、初めて葉巻に触れる方はぜひ参考にしてみてください。
葉巻の基本的な吸い方は煙をふかす口腔喫煙
紙巻きタバコや加熱式タバコはタールやニコチンを肺に入れる感覚や爽快感を楽しむ一方で、葉巻は香りや味わいを重視する嗜好品です。
そのため、肺に入れるよりも濃厚に葉巻の香りや味わいを感じられる口腔喫煙が一般的な吸い方として定着しています。
葉巻はニコチンやタールが濃い上に1本の喫煙時間が30分~1時間程度と長めなので、体への負担を減らす意味でもふかして吸うのが最適と言えるでしょう。
葉巻は肺喫煙で煙を肺に入れるとむせやすい
「葉巻は絶対に肺喫煙してはいけない」という訳ではありませんが、紙巻きタバコのようなフィルターが付いていないので肺に入れると高確率でむせてしまうでしょう。
また、リトルシガーにはフィルターが付いているので肺に入れる吸い方もできます。
葉巻での肺喫煙に興味のある方はふかす吸い方で体を慣らしつつ、余裕を感じたらどこまで肺に入れることができるかを少しずつチャレンジしてみてください。
葉巻の喫煙を途中でやめるやり方
前述した通り、葉巻は紙巻きタバコやリトルシガーよりも1本の喫煙時間が長くどこまでも吸えるので、タイミングや体調次第では途中でやめたくなるかもしれません。
葉巻は紙巻きタバコと違って、灰皿で放置していると勝手に火が消えます。もう一度喫煙したくなったら、灰を軽く落としてから着火してください。
途中でヤニクラを起こした時などは「もったいないから」と無理して吸わず、一度葉巻を置いて休憩してから喫煙を再開しましょう。
初心者が葉巻を選ぶ時に重要なのは値段?サイズ?
葉巻の正しい吸い方や途中でやめる方法が分かると、実際に葉巻を手に取ってみたくなるのではないでしょうか?
しかし葉巻には様々な種類やサイズが存在するほか、価格帯にも幅があるためどうやって選べば良いのかが分からずにお困りの方も多いはずです。
ここからは初心者の葉巻選びに重要な5つのポイントを詳しく解説していくので、これから葉巻を探す予定の方はぜひ参考にしてみてください。
葉巻の選び方のポイント①:値段
初心者におすすめな葉巻選びのポイント1つ目は、値段です。
初めて葉巻を吸う方はどのような味なのかを試してみるという意味でも、リトルシガーやシガリロといった低価格帯の銘柄から手に取ってみると良いでしょう。
また本格的な葉巻からチャレンジしてみたい場合は、1,000円~2,000円程度で買える中価格帯のプレミアムシガーから気になる銘柄を購入してみてください。
葉巻の選び方のポイント②:種類
初心者におすすめな葉巻選びのポイント2つ目は、葉巻の種類です。
一口に葉巻と言っても、プレミアムシガー・ドライシガー・シガリロ・リトルシガーと様々な種類が存在しているので、選ぶには大まかにそれぞれの特徴を理解する必要があるでしょう。
下記に葉巻の種類ごとで特徴・値段・タバコ葉の量といった違いを一覧でまとめているので、自分に向いている・興味のある葉巻があるかどうかをぜひチェックしてみてください。
葉巻の種類 | 特徴 | 値段 | タバコ葉の量 |
---|---|---|---|
プレミアムシガー | ・1本ずつ職人が手作り ・フィラー、バインダー、ラッパーに100%タバコ葉使用 ・適切な湿度管理を要する ・基本的にバラ売り |
1,000円~10,000円程度 | 4.45g~ |
ドライシガー | ・機械で製造 ・フィラー、バインダーは刻んだタバコ葉を使用するケースが多い ・湿度管理の必要なし ・バラ売り~数本入りでの販売が多い |
290円~2,000円程度 | 4.45g~ |
シガリロ | ・紙巻きタバコ相当のサイズ感 ・湿度管理の必要なし ・燃焼時間は短め ・数本~20本セットでの販売が多い |
500円~2,300円程度 | 1.36g~4.45g |
リトルシガー | ・紙巻きタバコと同じサイズ ・タバコ葉を加工した巻紙で製造 ・吸い口にフィルターあり ・1箱20本入り販売がメイン |
350円~650円程度 | 1.36g~ |
葉巻の選び方のポイント③:サイズ
初心者におすすめな葉巻選びのポイント3つ目は、葉巻のサイズ感です。
初心者の方は細く短い葉巻を選ぶ傾向にありますが、実は葉巻は太くて長いサイズのものほどマイルドで柔らかい吸いごたえになることをご存知でしょうか。
着火した先端から吸い口まで距離があるほど、タバコ葉自体がフィルターのような役割を果たしてくれるからです。初心者の方は、短すぎず太すぎない葉巻から選んでみてください。
名称 | 長さ | 太さ(直径) | 特徴 |
---|---|---|---|
ダブル・コロナ | 194mm | 19.45mm | 特別なタイミングで楽しむサイズ |
グラン・パナテラ | 192mm | 15.08mm | – |
チャーチル | 178mm | 18.65mm | ファンが多い葉巻タイプ |
ロンズデール | 165mm | 16.67mm | 代表銘柄は「モンテクリストNO1」 |
パナテラ | 152mm | 15.08mm | 初心者には少しハードルが高いサイズ |
グラン・コロナ | 143mm | 18.26mm | – |
コロナ | 142mm | 16.67mm | 人気の高いサイズ |
プチ・コロナ | 129mm | 16.67mm | 初心者に最適なサイズ |
ロブスト | 124mm | 19.84mm | 日本で愛されているサイズ |
葉巻の選び方のポイント④:喫煙時間
初心者におすすめな葉巻選びのポイント4つ目は、喫煙時間です。
葉巻の喫煙時間はサイズ感と関連性が深く、どこまで吸えるかは葉巻本体の長さに比例します。150mmで約45分、200mmで約120分がおおまかな目安となるでしょう。
自宅でじっくりと楽しみたい方はプレミアムシガーやドライシガー、仕事の休憩時間に吸いたい方はシガリロやリトルシガーといったように、吸う場面をイメージして選んでみてください。
葉巻の選び方のポイント⑤:味わい
初心者におすすめな葉巻選びのポイント5つ目は、味わいです。
葉巻は見た目に反して細くて短いほど味が濃く、太くて長いタイプほど口当たりがマイルドになります。また、葉巻の産地によっても味わいに特徴があることを覚えておくと良いでしょう。
- ニカラグア産:ニコチン量が多くアタック感は強め
- キューバ産:深みのある味わいでアタック感が強い
- ドミニカ産:口当たりがマイルドで初心者にもおすすめ
まずは自分の中で基準となる葉巻を決めて、基準よりも太くて長い葉巻・細くて短い葉巻を購入し、吸い比べて自分の好みを探ってみるのもおすすめです。
葉巻を吸う前の準備(カット)方法や必要な道具について解説
葉巻にはフィルターがなく吸い口を専用カッターでカットする必要がありますが、どういう切り方でどこまでカットすれば良いのかが分からない方も多いはずです。
結論から言うと葉巻のカット方法には3種類あり、切り方次第で煙の濃さや口当たりが大きく変わります。カット方法で専用カッターの選び方も変わるので注意してください。
続いては葉巻を吸う前に必要な道具の選び方や、どこまでカットするのかといった具体的な準備方法を紹介していきます。
葉巻のカット方法は3種類ある
葉巻はフラットカット・Vカット・パンチカットの異なる3種類のカット方法があり、切り方によって吸いごたえや味わいに違いが出ます。
断面が水平なフラットカットは最もよく使われるカット方法です。穴を開けるパンチカットや切れ目を入れるV字カットは、吸い口が小さく女性向けのカット方法と言えるでしょう。
葉巻の咥え方や求める吸いごたえによっても異なるので、それぞれのカット方法を試して自分好みの切り方を模索してみてください。
葉巻のカットには専用カッターが便利
葉巻のヘッド(吸い口)をカットする場合は、専用カッターを用意しておくと良いでしょう。
ギロチン式・シザー式・パンチ式など様々なタイプが存在しており、葉巻のサイズや自分好みのカット方法に合わせて選ぶ必要があります。
専用カッターのタイプ別にメリット・デメリットをまとめた一覧表を掲載しているので、購入時の参考にしてみてください。
カット方法 | 特長 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ギロチン式 | 人気が高く安いカッターが多い | ・ショートフィラー以外の全ての葉巻タイプに使用可能 ・切り口のサイズを自由に調整できる |
・切り残すと葉巻が崩れる ・切り口の深さや広さを失敗しやすい |
シザー式 | 人気の高い一般的なカット方法 | ・ショートフィラー以外の全ての葉巻タイプに使用可能 ・葉巻のタイプやサイズを選ばない |
・切り残すと葉巻が崩れる ・持ち運びには不向き |
パンチ式 | インパクトのある吸いごたえ | ・初心者でもミスが少ない ・コンパクトで携帯しやすい |
・キャップの形状次第では使用不可 ・人によっては味がキツく感じられる |
V字カッター式 | 口当たりがマイルドになる | ・咥えやすい ・女性でも吸いやすい |
・位置がズレやすい ・カットの深さや切り残しなどミスしやすい |
ピアス | ショートフィラータイプにおすすめ | 大きめのカットができない葉巻に穴を開けることが可能 | サイズで穴を開ける個数が異なる |
葉巻をカットする時のコツ
フラットカットはヘッド部分の丸みのある場所を、斜めにならないよう素早くカットするのがポイントです。ヘッド部分の2~3mmを目安に、指を切らないよう慎重にカットします。
パンチカットはヘッド部分の中心に専用カッターを当て、捻るように押し込んでカットしましょう。
V字カットは専用カッターのくぼみにヘッド部分を合わせ、刃を押すと彫刻刀で削ったようなV字の吸い口が出来上がります。いずれもそこまで難しくないので、ぜひチャレンジしてみてください。
葉巻を吸う時の火の点け方を手順に沿って解説
うまく葉巻をカットできたら、次は着火する必要があります。香りを重視する葉巻はジッポなどのオイルライターやマッチではなく、ガス・ターボライター・葉巻専用マッチがおすすめです。
シガリロやリトルシガーの場合は、これから紹介する火の付け方ではなく紙巻きタバコと同じ方法で問題ありません。
続いてはプレミアムシガー・ドライシガーの火の付け方を3段階に分けて解説していくので、初めての方はぜひ真似してみてください。
葉巻を吸う時の火の点け方①:葉巻とライターを水平にして全体を炙る
プレミアムシガー・ドライシガーを吸う時の火の付け方1つ目は、葉巻とライターを水平にしてフット(着火場所)全体を炙ることです。
ターボライターを使用する場合は葉巻のフットに対して水平に火を当てながら全体を炙りますが、垂直に火を当てると焦げやすく、不完全燃焼を起こしやすいので注意してください。
葉巻の先端が下向きだと着火面の状態が確認できないので、しっかりと着火状態が見える角度を維持しながら葉巻に火をつけましょう。
葉巻を吸う時の火の点け方②:遠火にして葉巻を回し均等に火をつける
プレミアムシガー・ドライシガーを吸う時の火の付け方2つ目は、遠火にして葉巻を回し均等に火をつけることです。
葉巻のフットに直接火を当ててしまうと焦げて苦味が強くなるため、火を遠くから少しずつ近付けて炙り、葉巻を回しながら全体に着火していきましょう。
直径の太い葉巻ほど着火に時間がかかりますが、焦らずゆっくりと均等に火をつけてください。
葉巻を吸う時の火の点け方③:葉巻の先端に1mmほどの白いリングができたら着火完了
プレミアムシガー・ドライシガーを吸う時の火の付け方3つ目は、葉巻の先端に1mm程度の白いリングができたことを確認します。
フット全体を炙ると、次第に灰が白いリングのように浮かび上がるのが確認できるでしょう。リングが出来る前に吸い始めるとすぐに火が消えてしまうので、焦らずに着火することが大切です。
じっくりと火を当ててフットに白い灰のリングが確認できたら着火完了となるので、口に咥えてゆっくりと煙を吸ってみてください。
葉巻の煙をふかす吸い方のコツをご紹介
葉巻の先端に火が付いたら後は吸って楽しむだけですが、初めての方だとふかす吸い方のイメージが上手く掴めていないかもしれません。
葉巻をふかす吸い方は、吸引するスピードの調整やペース配分が重要なポイントです。見落としがちですが、灰を落とすタイミングにも注意しましょう!
続いては、葉巻の煙をふかす吸い方のコツを4つのポイントに分けて紹介していきます。
葉巻の煙をふかす吸い方のコツ①:燃焼温度を上げすぎない
葉巻の煙をふかす吸い方・口腔喫煙のコツ1つ目は、燃焼温度を上げすぎないことです。
タバコや葉巻は燃焼温度を低めに保つことで、本来の旨みやコクをしっかりと堪能できます。燃焼温度が高くなると風味が飛び、苦味や辛味が強くなるので注意しましょう!
喫煙時はゆったりとしたペースで吸うクールスモーキングを心がけ、時間を掛けて味や香りを楽しむことを意識してみてください。
葉巻の煙をふかす吸い方のコツ②:1~2分間に1回ほどのペースを守る
葉巻の煙をふかす吸い方・口腔喫煙のコツ2つ目は、1~2分間に1回ほどのペースを守ることです。
吸い込みが強い場合は、次に吸うまで1分以上間隔を空けるようにしましょう。吸い込みが弱い場合は、少しペースを上げれば火が消えることを防げます。
葉巻をふかすスピードによって燃焼温度が上下して味や香りも変わっていくので、吸引の強さや間隔を調整しながら自分にぴったりなペースを見つけてみてください。
葉巻の煙をふかす吸い方のコツ③:灰は2cmほどになるまで落とさない
葉巻の煙をふかす吸い方・口腔喫煙のコツ3つ目は、灰は2cmほどになるまで落とさないことです。
葉巻の先端に残る灰は燃焼温度を調節するラジエーターのような役割があるため、頻繁に灰を落としてしまうと風味が落ちてしまいます。
特に良くできた葉巻は灰も崩れにくくなっているので、先端から2cmほどになったタイミングで灰皿に軽く押し付けるようにして灰を落としてください。
葉巻の吸い方に関するよくある質問(FAQ)をご紹介
ここまで葉巻の選び方・火の付け方・吸い方といった初心者向けの情報をまとめて紹介してきました。
しかし記事を読むことで「葉巻はどこまで吸えるのか?」「途中でやめた葉巻はもう一度吸える?」といった疑問が残った方も居るのではないでしょうか。
最後に葉巻の吸い方に関するよくある質問に回答していくので、葉巻の楽しみ方をより深く理解したい方はぜひ参考にしてみてください。
葉巻の吸い方に関するFAQ①:葉巻はどこまで吸える?
どこまで吸えるのか結論から言うと、葉巻に巻かれているリング・ブランドシール付近がひとつの目安になります。理論上は最後まで吸えますが、火が迫るので最後まで持ち続けるのは困難です。
葉巻がどこまで吸えるか試していくうちに、味の変化などから自分に合った喫煙終了のタイミングが掴めてくるでしょう。
「まだまだ吸える」と感じた際には、リング・ブランドシールを外して行けるところまで吸ってみてください。ただし煙の濃度が上がるので、ヤニクラには注意が必要です。
葉巻の吸い方に関するFAQ②:途中でやめた葉巻はもう一度吸える?
休憩などで途中でやめた葉巻は、再点火してもう一度吸うことができます。
途中でやめる場合は、葉巻を吹いて煙を出してから灰皿に放置して火を消してください。そうすることで、もう一度着火した際により美味しく感じられるはずです。
再び葉巻を吸い直す際は、先端の灰をカットしてからライターで炙りましょう。カットする際は、ラッパー(葉巻の一番外側)まで切らないようにご注意ください。
葉巻の吸い方に関するFAQ③:葉巻を灰皿にこすりつけるとマナー違反?
葉巻を灰皿にこすりつける消し方は複数の理由からマナー違反とされているので、消し方には注意してください。
葉巻をこすりつけると非常に強い匂いを発するので、周囲に迷惑を掛けてしまいます。場合によっては「つまらない」「焦っている」といった印象を与えてしまう可能性もあるでしょう。
紙巻きタバコと異なり葉巻には燃焼剤が含まれていないので、火を消したい場合は灰皿にそのまま放置するだけで大丈夫です。
葉巻の吸い方に関するFAQ④:葉巻を吸うとニコチンで酔う?
葉巻は100%タバコ葉で製造されており、かつ紙巻きタバコよりもサイズが大きいことから多量のニコチンが含まれているため、ニコチン酔いを起こす可能性は十分に考えられるでしょう。
口腔喫煙でふかす吸い方が基本ですが慣れない方だと煙を肺に入れる場合があり、ニコチン・一酸化炭素による酸欠でめまいや吐き気を感じるケースがあります。
ニコチン酔いを防ぐためには十分に換気された環境で吸う、定期的に水分補給する、こまめに休憩を挟むなどの対策がおすすめです。
葉巻は肺に入れる?ふかす?正しい吸い方や途中でやめるやり方の解説まとめ
この記事では葉巻を肺に入れるべきかふかすべきか、正しい吸い方やどこまで吸えるかについて詳しく解説しました。
葉巻は肺に入れるのではなく口腔喫煙でふかす吸い方が基本です。どこまで吸えるかのタイミングは、葉巻に巻かれたリング・ブランドシールを目安にしてください。
1本の喫煙時間が長い葉巻ですが、途中でやめる・再喫煙することも可能なので、ぜひ気になる葉巻を手に取ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか!